セミリタイアには憧れるけど、実際にセミリタイアをすることに金銭的な不安を感じる人も少なくないと思います。
今回は、そんなセミリタイアに関するお金の不安と考え方について解説します。
セミリタイアで生じる3つの金銭的不安
セミリタイアは、投資や貯蓄を切り崩すことで労働時間を最小限にするライフスタイルです。
この労働時間を最小限にするセミリタイアの特徴が金銭的な不安を抱く大きな要因になります。
働かないことへの不安
日本人は働くことでストレスと同時に安心感も得ています。ストレスは労働、拘束、責任などによってもたらされますが、安心感はその対価として受け取るお金によってもたらされます。
「働けばお金を貰える=生活することが出来る」という公式が日本人の頭の中には刻まれています。それが労働することで安心感を得る仕組みになります。
セミリタイアは労働時間を減らす生き方
その日本人の頭に刻まれた公式とは反対に、セミリタイアは労働を最小限にする生き方です。この労働を減らすという行為が、多くの人にとってセミリタイアへの不安に繋がります。
投資をすることへの不安
セミリタイア生活は労働時間を減らす一方で投資による資産運用が求められます。投資をすることで資産を減らすかもしれないという不安もセミリタイアで金銭的不安を感じる大きな要素です。
日本人は投資に苦手意識がある
基本的に、日本人の思考は投資には適していません。バブル後の景気低迷もあり投資とは最後に大きな失敗をするもので、貯金こそ資産を安全に守る方法だという解釈が根付いている日本では、無意識に投資に対して強い不安を感じるようにインプットされています。
貯金を切り崩すことへの不安
また、投資による資産運用以外にもセミリタイアするには貯金を切り崩すことで実現する人もいます。
私自身は貯金の切り崩しによるセミリタイアは推奨しませんが、この貯金を切り崩すという行為も貯金文化が根付いた日本では、大きな不安要素になります。
セミリタイアの金銭的不安は錯覚
労働時間の減少、投資に対する苦手意識、貯金が減っていく不安というのは、おそらく世界的にも日本人が一番敏感ではないでしょうか。
歴史的、文化的な背景や国民性から、日本人は本能的にセミリタイアに最も向かない体質が備わっていると言えるでしょう。
しかし、俯瞰してセミリタイアに対する金銭的不安を考えてみると、それが錯覚だと気づくと思います。
働かないと金銭的不安を感じる錯覚
労働の対価としてお金を受け取ることで金銭的安心感を得るのは間違ったことではありません。会社に勤めて真面目に働けば、月に数十万円のお金を受け取れるのですから、それが安心感に繋がるのは納得です。
しかし、それが行き過ぎているのは「働かなくなったら金銭的な不安を強く感じる」ようになることです。
働けば安心感を得られるのは良いとして、働かないことで不安感を強く感じるのであれば、それは一種の中毒症状、または依存と言えるでしょう。
働くことでしかお金を得られない
多くの方はこのように感じているはずです。自分が働かずともお金を得る方法はあります。
起業して労働者ではなく経営者になったり、投資してお金に働いてもらったりするのは、別に限られた人だけの特権ではありません。
先入観的に、自分は働くことでしかお金を得られないと考えていることが、自身の可能性と人生を狭いものにしています。
働かなくてもお金は得られる
働かないことで金銭的不安感が強い人は、その固定観念を払拭することが最優先です。
投資や経営の仕組みなどを学ぶ事で、働くこと以外でもお金を得られるということを学びましょう。
投資は失敗するという先入観
「投資は最後には損して辞めていくもの」と考えている人も多いのではないでしょうか?これは完全に間違っているとは言えません。
事実、個人投資家の8割、9割は損をしているというデータもあるらしいですから、投資は失敗するという評判が先行するのも仕方ありません。
しかし、投資でずっと利益を出し続けている私からすれば、投資は基本さえ抑えれば損する方が難しいと思います。
投資で失敗するのはなぜ?
投資で失敗するのは、簡単な理由です。
- 極めて短いスパンで利益を出そうとしている
- 欲を出し過ぎる
- 割高な株を買っている
投資で損をする理由の大部分はこれだけの理由です。
一年もしない間に資産が二倍になるような投資をしたり、資産を全力で一回の投資に使ったり間違いだらけの投資をしているから、多くの人は投資で損をしてしまうのです。
失敗するのは勉強不足なだけ
では、こうならないためにはどうすれば良いか?答えは簡単で投資の勉強をすれば良いだけです。
答えは簡単ですが、実際に投資の勉強とは何をすれば良いでしょうか?これがわからないので、多くの人は全く知識がない状態で無謀な投資をして資産を減らしてしまいます。
ここでは詳細は省きますが、投資の勉強は基本的には経験と知識の反復です。受験勉強のように学校や塾に通えば投資の技術が身につくわけではありません。
自分で考えて、知識を深め、失敗と成功を繰り返すことで、投資は資産運用の大きな力になります。
セミリタイアは原則として貯金を減らさない
セミリタイアは労働収入が減る代わりに、貯金を使って生活するというイメージがあるかもしれませんが、これは個人的にはあまりオススメできるセミリタイアではありません。
毎年これだけ貯金を切り崩せば〇〇年は生活できるというのは、現時点の物価での予想でしかありません。
仮に、缶ジュースが1本500円になったらどうなるでしょうか?基本的に、経済が正しく成長するなら物価も上昇します。そんな世の中で貯金だけで数十年に及ぶ計画を建てるのは理にかなっていないでしょう。
セミリタイアしても資産を増やし続ける
貯金を切り崩すつもりでセミリタイアするのではなく、資産を増やしながらセミリタイアをすることを心掛けましょう。
セミリタイアでの月の支出よりも、不労所得と労働所得の方が多くなるようにすれば、貯金を切り崩す必要はなく、むしろ増やすことが可能です。貯金が減っていく不安を抱く必要はありません。
金銭的不安は正しい知識と考え方で払拭できる
このように、セミリタイアで感じる金銭的不安は正しい知識と考え方を持つことで払拭することができます。
逆に、専業サラリーマンでいることにも倒産やリストラなどの突発的なリスクを伴うことを私自身は感じていました。
セミリタイアをするかどうかは別にして、お金の正しい考え方を持つことは人生を有利に進める上でも重要です。もし、何らかの金銭的不安を抱えているなら、その原因が何にあるかを分析してみるのも悪くないでしょう。
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